manifesto

QUOTES
manifesto. noun, plural: manifestos. a public declaration of policy and aims by a party, group or individual.
(名詞、複数形:manifestos。政党、団体や個人による公的な方針や目的の宣述。)

冒頭、この題名の定義があり、静かに始まります。次に白と黒だけのモノトーンのスタッフ・クレジットに紛れて檄文が飛びます。

ホームレスさん
Art requires truth not sincerity. All current art is fake. Nothing is original.
(芸術は誠実さではなく真実を要求する。全て現潮流の芸術はニセ物である。オリジナルなどはない)

かなりの挑戦的なオープニングですね。

この文章は単語単語がスタッフ名に紛れてるので見落とすかもです。、、、ですが、これがこの作品の「マニフェスト」です。この作品、少し変わってました。その構成を知ると混乱はしません。


12人の登場人物が出てきますが、いろんな有名な「マニフェスト」が作品中でそれぞれのキャラによって宣じられます。この点を面白く感じるかどうかですが・・・

その宣言、朗読(独白)、主張、吐き捨てられるマニフェストの引用文は、例えば、『共産党宣言』(K. マルクス氏&F. エンゲルス氏)、『シュールレアリズム宣言』(A. ブルトン氏)、彫刻家・C. オルデンバーグ氏のマニフェストや、映画作家のJ. ジャームッシュ氏の『Golden Rules of Filmmaking』等、多数。こんなの延々と聞かされたら辟易します。その独白を以下のキャラがパフォーマンスします。ここが面白い。

ホームレスの男、株のトレイダー、ゴミ焼却場の女性作業員、葬儀屋の女性レセプショナー、保守的な家庭の主婦、科学者、タトゥーのパンクな女、パーティーの主催者、舞台の振付師、人形師、ニュース・キャスター、教師。全てが俳優・ケイトさんの分身です。


Nothing is original. Steal from anywhere that resonates with inspiration or fuels your imagination. – Jim Jarmusch, 2004

私はこういうのは大好きです。


単なる電化製品の説明書をアクターが読むと全く違った言葉になってしまう、、、 そのことばの表現を楽しむ。あと、画がデザイン的に綺麗で陰影までが飽きない。


I say to all: Abandon love, abandon aestheticism, abandon the baggage of wisdom, for in the new culture, your wisdom is ridiculous and insigni cant. Only dull and impotent artists veil their work with sincerity. Art requires truth, not sincerity. – Kazimir Malevich, 1915.


この作品、冒頭場面の廃墟でここはどこだろうという疑問が起こり、自分は意外だったのですが、制作国がドイツ。この作品は様々なロケーションも興味深いです。下の写真は、まだ冷戦下の旧西ベルリンにあった米国・国家安全保障局(NSA)のレーダー基地跡地です。「トイフェルスベルクの丘」、別称「悪魔の山」と呼ばれた、この120メートル程の人工の丘の上に建てられたものです。


All that is solid melts into air. – Karl Marx and Friedrich Engels, 1848.


その「悪魔の山」で檄を飛ばすのは現代のカール・マルクス氏。私はマニフェストを書いている。なぜなら私は何も言いたい事なんてないからだ。説明なんかしないぞ。なぜなら常識なんて嫌いだからだ。- 期間限定の 壁紙 プレゼント –

パンクさん
To the electric chair with Chopin! The blue discharge of car exhausts, scented with a dynamic modernity, has exactly the same emotional value as the beloved talents of our “exquisite” modernists. In my glorious isolation, I am illuminated by the marvellous incandescence of my electrically charged nerves. — Manuel Maples Arce, 1921
(権威なんかくたばっちまいな。グローバル化した国家も国境もないネット社会とは、現代人のカワイイ”ぽえむ”な自我と、完全に共有・同期してやがるっての。勝ち組だけどアラフォーの毎晩お一人様ご飯の中で、あたしは、バーチャルな情報、つまりはクソって事の、中枢神経というご立派なノーミソにより、「あたし」という「絆(つながり)」のその一つであるっての。)

MEMO
【記録】監督・脚本:ジュリアン・ローズフェルト Julian Rosefeldt / 撮影:クリストフ・クラウス Christoph Krauss / 音楽:アトリ・ウールヴァッソン Atli Örvarsson / 出演:ケイト・ブランシェット Cate Blanchett 1人12役。この映画はもともと現代美術・インスタレーション展示のために制作された映像作品。/ 製作国:ドイツ/ 2015年制作。