november


【解説】エストニアのフォークロア(民俗・民間伝承)が生んだ、生き地獄絵図のような歪んだ業と人間の卑しい欲望、美しくも恐ろしいモノクロの閉ざされた冬の世界で、跋扈する疫病、人狼伝説、悪霊たちが彷徨う村の中に生きる一人の少女の呪われた愛憎劇。原作はエストニアの作家アンドゥルス・キヴィラー Andrus Kivirähk氏の『November/ Rehepapp ehk november』。

原題の意味は「11月の赤スグリ」。「赤スグリ(赤酸塊)」は外国語では「レッドカラント(red currant)、グーズベリー(gooseberries)」あるいは「グロゼイユ(groseille)」ともいわれる赤い小さな果実。ジャムや果実酒に使われる。ただ、その植物は11月に花が咲くことも実をつけることもない。映画では動物同様に黒魔術に使われるアイテムだ。

原作の舞台は特定されてはいないが、19世紀の、多くのドイツ人が入植し、広大な荘園を持つドイツ人領主の支配を受けていたエストニアで、異教の風習や土着信仰をもつ村のコミュニティーが登場する。

【物語】村人の生活に危急する問題は、冬の間、日照時間も限られた厳しい寒さをどのように凌いで生き抜くのか。そのために手段を選ぶ良心や倫理観を彼らは持ち合わせてはいない。荘園領主から盗みを働き、偶像としてのキリストまで利用する。黒魔術を駆使し、私利私欲のために木製と鋼でできた怪物を作り上げ、悪霊に魂まで投げ出している。

この村に住む少女リイナは同じ村の青年ハンスを好きになるが、ハンスは貴族の娘に恋い焦がれている・・・

DATA
【記録】原作:アンドゥルス・キヴィラ Andrus KivirähkRehepapp ehk november(November)』(2000年)/ 監督・脚本: ライネル・サルネット Rainer Sarnet 作品:『Idioot(Idiot)』(2011年)、『Kuhu põgenevad hinged(Where Souls Go) 』(2007年)、『Tabamata ime』(2006年)、TV映画『Libahundi needus』(2005年)、『Kass kukub käppadele』(1999年)、短編『Libarebased ja kooljad』(1998年)/ 撮影: マル・タニエル Mart Taniel / 音楽:ミハエル・ヤツァシェック Michał Jacaszek / 出演:レア・レスト Rea Lest / カタリーナ・ウン Katariina Unt / ヨールツン・リイク Jörgen Liik / ヤーン・ドーミング Jaan Toomingc / イェットゥ・ローナ・ヘルマニス Jette Loona Hermanis / アルヴォ・ググマーギ Arvo Kukumägi / タアヴィ・エルマア Taavi Eelmaa / ディエッテル・ラーセル Dieter Laser / マリ・アベル Mari Abel / 制作国:エストニア、オランダ、ポーランド / 使用言語:エストニア語、ドイツ語 / 2017年制作 / 公開日:2017年2月3日エストニア国内で初上映。2017年4月24日トライベッカ映画祭。その他、各国上映多数。2018年2月23日米国内で一般公開 / 予告編『 November 』(日本公開未定)



“part Grimm fairy tale. part Eastern European folklore and all fever dream… it’s as beautiful as it is profoundly WEIRD as F*CK.”